「ノーリフティングケア=抱え上げない介護」で安全なサービスを提供します
ケアサービスでは、お客様と介護スタッフ双方にとって安楽な介助を行うため、抱え上げない介助方法を軸とした「ノーリフティングケア」を取り入れております。ノーリフティングケアは、「介護を受ける方への自立支援を考えた安全なケア」と「介護する側の腰痛軽減」の両方を同時にかなえる考え方・介助方法です。
全国に広がっているノーリフティングケアの取り組み
もとはオーストラリア看護連盟による看護師の腰痛予防対策のための提言から始まったものですが、日本でも取り組みが普及しており、特に高知県では、県をあげて介護の現場でのノーリフティングケアに取り組み、介護職の腰痛による離職が減少していると発表しています。
また、ノーリフティングケアを導入することで、寝かせきりにより発生する褥瘡(じょくそう)や、緊張や力みにより関節の可動域が制限される拘縮(こうしゅく)の予防に、効果があることもわかってきました。
ケアサービスでは、私たちの提供するサービスに取り入れることで、お客様へのケアの質の向上と、職業病ともいわれている介護スタッフの腰痛軽減を目指しております。
ノーリフティングケアとは
ノーリフティングケアの基本となる考え方は、動作の中で「押す」「引く」「持ち上げる」「運ぶ」「身体をねじる」の5つを極力行わないようにすることです。これらの動作をする際に、介護を受ける方と介護を行う側の双方に、少なからず痛みや負担を伴うからです。
ケアサービスでは、これまで当たり前に行ってきたケアを見直し、お客様とスタッフの心身の負担を軽減してまいります。
ノーリフティングケアとボディメカニクスの違い
お客様の身体に接する「身体介護」を行う際の基本となる介助方法に、ボディメカニクスを使った介助があります。介護スタッフ自身の身体の動かし方を、筋肉や関節の力学的関係を理解した上で介助する方法で、最小限の力で最大限の効果を発揮でき、腰痛予防にもなるものです。
ノーリフティングケアは、このボディメカニクスの技術を基本にしながらも、「お客様の体重を、スタッフが人力で支える」ことを行わないようにしていきます。人力のみによる介助を行わないことで、お客様と介護スタッフ双方にとって安全な介助が実現できるのです。
ケアサービスのこれまでの介護技術研修では、ボディメカニクスを中心とした自立支援の技術についての指導を行ってまいりました。ノーリフティングケアの導入にあたり、新たな研修体制を設けております。
ケアサービスのノーリフティングケア
ノーリフティングケアの取り組みの多くが、有料老人ホームや特別養護老人ホームなど、高齢者が入居するタイプの介護施設で導入が進んでいます。ご入居者を24時間支える施設での取り組みは、技術や手法のほかに、大型の福祉用具の導入など、選択肢も多く、特に効果が高いといえます。
一方、ケアサービスの介護サービスは、在宅介護を中心としており、お客様がご自宅で生活することが前提となりますので、訪問型の介護であれば、スタッフがお客様のご自宅を訪れた際に実行できる方法を、デイサービスや小規模多機能型居宅介護施設であれば、お客様がご自宅の生活と大差なく日常生活動作が行える環境をつくることを大切にしています。
また、ノーリフティングケアは、単に技術や手法を導入するだけでなく、抱え上げる介護により苦痛や危険が伴うことを理解したうえで、組織として、考え方やこれまでの介助方法の見直し、新たに導入する手法の管理体制を整え、現場の介護スタッフの意識を変えていくことが求められるものです。
ケアサービスでは、会社全体の取り組みとし、組織横断的なノーリフティングケアプロジェクトを立ち上げ、「お客様へのケアの品質向上」「介護スタッフへの研修体制」「施設や福祉用具の環境整備」とさまざまな角度から管理体制を整え、取り組んでおります。
お客様へのケアの品質向上
介護ベッドからの起き上がりや、車いすからの移乗、椅子からの立ち上がりの際、お客様の自立度に合わせて体重の誘導を行ったり、福祉用具の機能を最大限に活用したりすることで、介護スタッフがお客様を抱え上げることなく介助することができるようになります。
これにより、お客様自身で身体を動かせるという実感を持つことができ、活動意欲が向上したり、抱え上げによる接触がなくなることで、肌の弱いお客様の皮膚損傷等を防いだり、緊張や力みによる関節の可動域制限の緩和につながります。
介護スタッフへの研修体制
それぞれのサービスのインストラクターが中心となり、介護スタッフへの研修を行っております。デイサービス事業所では、インストラクターが訪問し事業所の設備や導線に合った方法を伝えることで、より実践しやすい体制になっています。
施設や道具などの環境整備
全てのデイサービスセンターで、介護ベッドや車いすなどの福祉用具に対して、機能の見直しと入れ替えを実施しています。また、訪問型の介護サービスでは、スタッフに持ち運びのできる用具の貸与等を実施しております。それぞれのサービスの特長に合わせてノーリフティングケアの考え方、技術を取り入れております。
介護サービスでの福祉用具の導入例
・デイサービス、小規模多機能型居宅介護
スライディングシート
スライディングボード
移乗サポートロボット
・訪問入浴、訪問介護、訪問看護
スライディングシート